COLUMN

コラム

肺炎球菌ワクチン
65歳からの肺炎予防に知っておきたいこと

2026.07.08 予防接種
肺炎球菌ワクチン

肺炎は日本人の死因の上位に入る病気です。高齢者にとって、予防できる感染症として接種を検討してほしいワクチンのひとつが肺炎球菌ワクチンです。

肺炎球菌感染症とは

肺炎球菌は、細菌性肺炎の最も多い原因菌のひとつです。肺炎だけでなく、中耳炎・副鼻腔炎・髄膜炎などを引き起こすこともあります。高齢者や慢性疾患(糖尿病・心疾患・慢性呼吸器疾患・腎臓病など)をお持ちの方は重症化しやすい傾向があります。

ワクチンの種類

ここでは、成人の接種で検討するプレベナー20とキャップバックスを紹介します。ほかにニューモバックスNPやバクニュバンスなどがあり、過去の製剤名の確認も大切です。

プレベナー20

20種類の肺炎球菌に対応する結合型ワクチンです。
免疫の記憶がつきやすく、重症の肺炎球菌感染症の予防効果が期待されます。
2026年4月以降、高齢者の定期接種に使用する製剤です。年齢と過去の定期接種歴などの条件があります。
また、対象外の方でも、任意接種としてご案内することがあります。

キャップバックス

21種類の血清型に対応する結合型ワクチンです。
成人で問題となる肺炎球菌の型を考慮して作られた製剤です。プレベナー20の全種類に1種類を足した製剤ではなく、含まれる菌の型が異なります。
当院では任意接種としてご案内しています。

副反応について

よくある副反応

  • 接種部位の痛み・赤み・腫れ(多くは数日で軽快)
  • 頭痛・筋肉痛・倦怠感・発熱(多くは数日で軽快)

稀な副反応

  • アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応。息苦しさや顔・喉の腫れなどが出た場合は直ちに救急対応が必要です。

以前の接種に合わせて、次の一歩を確認しましょう

以下は65歳以上の方の一般的な目安です。64歳以下の方や造血幹細胞移植後など特別な計画が必要な方には、そのまま適用しません。すべての方が5年ごとに同じワクチンを繰り返すわけではありません。

これまでの接種次の接種の目安
接種したことがないプレベナー20またはキャップバックスが候補です。定期接種を利用する場合はプレベナー20です。
ニューモバックスNP/プレベナー13/バクニュバンス前回から1年以上あけてプレベナー20またはキャップバックスを検討できます。
プレベナー201年以上あけてキャップバックスを追加する選択肢があります。全員に追加接種が必要という意味ではありません。
キャップバックス2026年9月確認時点で、定期的な追加接種日程は示されていません。接種記録を保管しましょう。生涯追加が不要と確定したという意味ではありません。
複数種類/名前や日付が不明接種済証や接種した医療機関で、製剤名と接種日を確認してください。複数回の場合は最後だけでなく全履歴を確認します。

「1年以上」は追加接種を検討できる間隔で、毎年接種するという意味ではありません。造血幹細胞移植後などは別の接種計画になります。64歳以下の方には、この表をそのまま当てはめません。

接種歴と間隔の根拠:関連3学会の接種指針(第8版・2026年7月一部修正)、日本老年医学会の解説。

プレベナー20とキャップバックス、どう選ぶ?

公費の定期接種を希望し、対象条件を満たす方はプレベナー20が選択肢です。任意接種では両方が候補になります。キャップバックスは成人の感染症で問題となる菌の型を考慮した製剤ですが、プレベナー20の全種類に1種類を足したものではありません。数字の大小だけで優劣は決まりません。

持病がある場合には感染リスクも判断に加えます。キャップバックスは高齢者、または肺炎球菌感染症のリスクが高い成人が対象です。若い健康な方全員に勧めるものではありません。製剤の対象について

費用について

接種費用の詳細は当院の予防接種ページをご確認ください。

こんな方に特に接種をお勧めします

  • 65歳以上の方
  • 糖尿病・慢性心疾患・慢性呼吸器疾患・慢性腎臓病などの基礎疾患がある方
  • 過去に肺炎にかかったことがある方

医師紹介(監修)

長田 潤

長田 潤 先生

うるうクリニック統括院長

肺炎は高齢者の死因の上位に入る病気です。基礎疾患をお持ちの方には特に接種をお勧めしています。接種歴に合わせてワクチンと時期を選びましょう。全員が5年ごとに再接種するわけではありません。

公費の条件と接種間隔は別です

横浜市の定期接種は、市内に住民登録がある65歳の方、または60〜64歳で所定の重い障害がある方が対象です。過去に自費で肺炎球菌ワクチンを受けていても、医師が再接種を必要と認めれば対象になる場合があります。過去の公費接種歴と自費接種歴を分けて確認します。キャップバックスは任意接種です。制度の対象になることと、希望する院で公費接種を受けられることは別に確認してください。横浜市の対象条件・費用・実施医療機関

うるうクリニック関内馬車道での受診について

接種を迷っている方も、まずご相談から始めていただけます。うるうクリニック関内馬車道では土曜日も診療しています。
長田 潤 先生