次世代型最新テクノロジー:インスリンポンプと人工膵臓の進化
さらに、次世代型インスリンポンプとして注目されるのが「Bionic Pancreas(人工膵臓)」です。従来のインスリンポンプでは、食事ごとの糖質量を計算してインスリンを投与する必要がありましたが(カーボカウント)、このデバイスは体重と食事の内容を入力するだけで、必要なインスリン量を自動で計算してくれます。
6歳以上の1型糖尿病患者さんを対象とした臨床研究では、標準的なインスリン療法と比べて重度の低血糖が増えることなく、血糖コントロールが改善(HbA1c 7.7%→7.3%)したと報告されました。
そして、さらなる進化を遂げたBihormonal Artificial Pancreasも現在開発中です。
このデバイスは、インスリンとグルカゴン(膵臓から分泌される血糖値を上げるホルモン)2つのホルモンで血糖値を調整します。
膵臓をすべて摘出した患者さんを対象にした臨床研究では、この人工膵臓を使用した場合、ペン型注入器による治療と比べて、血糖値が70-180 mg/dLの理想的な範囲内にある時間が大幅に長くなり(78.3% vs. 57.38%)、低血糖の発生はゼロという驚きの結果が得られました。