甲状腺エコー検査
甲状腺エコー検査とは?
〜痛みなく短時間で終わる、甲状腺の状態を詳しく評価できる検査〜
甲状腺エコー(超音波)検査は、甲状腺の大きさや内部構造、結節(しこり)の有無や性状などを詳細に評価するための非侵襲的かつ安全な画像検査です。超音波を用いるため放射線の被ばくは一切なく、妊娠中の方でも安心して受けていただけます。
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甲状腺の大きさや形状:びまん性の腫大(甲状腺腫)や萎縮の有無
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内部エコーパターンの変化:橋本病では低エコー化(組織が黒っぽく見える)や不均一な内部構造がみられることがあります
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結節(しこり)の有無や性状:
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境界が不明瞭、不整形、石灰化、血流増加、低エコーなどは悪性の可能性を示唆
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嚢胞性変化や均一な内部構造を持つものは良性の可能性が高い
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血流の評価(ドプラ法):バセドウ病などでは甲状腺全体の血流が増加する傾向があります
これらの情報により、甲状腺疾患の診断・治療方針の決定・経過観察において非常に重要な役割を果たします。
対象となる疾患
甲状腺エコー検査は、以下の疾患の診断や経過観察に用いられます。
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橋本病(慢性甲状腺炎)
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バセドウ病(Basedow病)
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無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎
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甲状腺機能低下症・亢進症の原因検索
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甲状腺結節(良性腫瘍・悪性腫瘍、のう胞など)
検査の流れ
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首元が出るように仰向けでベッドに寝ていただきます。
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超音波専用のゼリーを首に塗布し、プローブという探触子をあてて観察します。
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痛みはなく、検査時間は通常5〜10分程度で終了します。
検査前の注意点
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絶食の必要はありません。食事や水分は普段通りで構いません。
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タートルネックや襟の詰まった服は避けて、首元が開けやすい服装でご来院ください。
まとめ
甲状腺の病気は、自覚症状が乏しいまま進行することも多く、血液検査と併せてエコー検査を行うことで、より正確な診断が可能になります。橋本病やバセドウ病の評価、甲状腺結節の発見や鑑別、経過観察において非常に有用です。
うるうクリニックでは、内分泌疾患に精通した医師がエコー所見をもとに適切なフォローアップを行っています。気になる症状がある方や、定期的なチェックをご希望の方はお気軽にご相談ください。